第1章 エピローグ
「起きたか、気分はどうだ?」
眠そうな顔をしたユーズは腕を動かし、体の調子を確かめる。
「なんだか自分の体じゃない感じがする。でも悪い感じじゃない」
「記憶の方はどうだ?覚えてる最後の記憶は?」
「んー、ベッドに横になったところが最後だな。いや、その後に何かやった覚えが...だめだ、思い出せねぇ」
「記憶の方は大丈夫そうだな、中での記憶が多少残ってるみたいだけど問題ないレベルだろう」
ユーズの記憶に大きな影響を与えずに能力上昇できたようだ。
仮想世界内の記憶が残っていても問題なさそうだが、どんな影響を与えるか分かったものではない。
覚えていない方が良いだろう。
「起きて間もないけどもう時間がない、あと1日位だと思う」
「はなから休む気もねぇよ」
「なら早めに移動しよう。今の状態なら塔の上から容易に時計に届くはずだ」
2人は近くで1番高い塔に向け、足を動かし始めた。
***
「どうせいつか終わる世界だとしても、あんな時計に終わらせられる筋合いはない。ユーズ、準備はいいか」
「任せろ、ぶち壊してやる」
ユーズは軽く踏み出し、あっという間に3、40メートル飛び越していった。
右手を引き、時計に向かって渾身の殴りこみを入れた。
瞬間時計にひびが入る。
ガラスが割れるように時計は砕け散った――
***
「――ア、ロジア、おい、起きろって」
「どこだ?ここ...」